Project Description
5美濃ケ浜AS近くの絶景スポット「兜山(かぶとやま)古墳(こふん)」
この古墳は、5世紀後半に築かれた直径約20m、高さ約3mの円墳で、墳丘は葺石(ふきいし)で覆われていたものと考えられます。1960(昭和35)年に発見され、発掘調査が行われました。
内部主体は、側石・小口石・蓋石ともに1枚石を用いた組合式箱式石棺(くみあわせしきはこしきせっかん)で、石棺の内法は、長さ約1.5m、幅約0.3m、棺床には白い円礫が敷かれていました。
石棺の内面には朱が塗られ、若年女性の人骨が1体、2個の枕石で頭部を支えられた状態で埋葬されていました。
副葬品は、棺内から人骨左足側の側石に接して変形獣帯鏡(へんけいじゅうたいきょう)が出土したほか、棺外からは、蓋石の上面から鉄剣が、人骨頭部側の小口石の外側から鉄剣(てっけん)・鉄刀子(てつとうす)・鉄斧(てっぷ)・鉄手斧(てつちょうな)・鉄鎌(てつかま)・鉄鍬(鋤)先(てつくわ(すき)さき)がまとまって出土しました。
古墳時代、この古墳が築かれた長浜半島は、周防灘沿岸に点在する島嶼群(とうしょぐん)の一つでした。兜山古墳に埋葬されたのは、この島嶼群に拠点を置き、土器製塩や漁労、交易に従事する海人(あま)を支配下に置いた首長ではなかったかと考えられています。
秋穂二島地区連合自治会
説明文資料提供:山口市教育委員会